海外競合調査で何を調べる?調査項目・情報収集方法・分析手順・費用を解説

海外進出を検討する際、「現地にはどのような競合企業がいるのか」「自社の商品やサービスに参入余地はあるのか」と悩む企業もあるでしょう。
そこで役立つのが「海外競合調査」です。
本記事では、海外競合調査の目的から具体的な調査項目、情報収集方法、分析手順、費用の考え方まで解説します。海外進出に向けて競合環境を把握し、進出戦略の判断材料を集めたい方は参考にしてください。
■グローハイでは、市場調査やローカライズを軸に、日本企業の海外進出を支援してきました。
市場分析に加え、海外ビジネスマッチングや現地法人設立支援まで一気通貫で対応できる点が強みです。
進出先市場の特性や現地ニーズに合わせた海外展開を検討している方は、以下のサービスページをご覧ください。
海外競合調査とは
海外競合調査とは、進出を検討している国や地域において、自社と競合する企業や商品・サービスについて調査することです。
競合企業の基本情報だけでなく、商品・サービスの特徴、価格、ターゲット、販売チャネル、マーケティング施策などを幅広く調べます。
調査結果を自社と比較することで、市場でどのようなポジションを取るべきか、どの部分で差別化できるかを検討しやすくなります。
海外競合調査の目的
海外競合調査の主な目的は、現地の競争環境を把握し、自社の海外進出戦略に必要な判断材料を集めることです。
主な目的として、以下が挙げられます。
- 競争環境の把握: 現地でどのような企業が競合しているのかを確認する
- 市場参入余地の確認: 既存企業で満たされていないニーズや市場の余地を探る
- 差別化ポイントの検討: 商品、価格、品質、サービスなど、競合と差別化できる要素を整理する
- 価格戦略の検討: 現地の競合価格を踏まえ、自社に適した価格帯を検討する
- 販売・マーケティング戦略の検討: 競合が利用している販売チャネルや広告手法を把握する
海外競合調査では、単に競合企業の情報を集めるだけでなく、収集した情報を自社の海外進出戦略にどう反映するかまで考えることがポイントです。
海外市場調査との違い
海外競合調査と海外市場調査では、主な調査対象が異なります。
海外市場調査では、市場規模や成長性、顧客ニーズ、法規制、商習慣、流通構造など、市場全体を幅広く調べます。
一方、海外競合調査では、その市場ですでに事業を行っている企業や商品・サービスを中心に調査します。
| 調査 | 主な調査対象 | 主な目的 |
| 海外市場調査 | 市場規模、顧客、法規制、流通、商習慣など | 市場の魅力度や参入可能性を判断する |
| 海外競合調査 | 競合企業、商品、価格、販売方法、マーケティング施策など | 競争環境や自社の差別化余地を把握する |
実際の海外進出では、どちらか一方だけを調べれば十分とは限りません。市場全体を把握したうえで競合企業を詳しく分析すると、進出判断に必要な情報を整理しやすくなります。
海外進出前に競合調査が重要な理由
海外では、日本国内とは異なる企業が市場で存在感を持っている場合があります。また、同じカテゴリーの商品でも、求められる機能や価格帯、購入方法などが異なることがあります。
競合環境を十分に確認しないまま参入すると、たとえば次のような問題が生じる可能性があります。
- 想定より低い価格帯の商品が主流だった
- 現地企業が強い販売網を構築していた
- 競合商品との差別化ができなかった
- 想定していたターゲットと実際の顧客層に違いがあった
- 現地で一般的な販売・マーケティング方法に対応できなかった
進出前に競合を把握しておけば、自社に参入余地がある市場なのか、どのような商品や価格、販売方法が適しているのかを検討する材料になります。
ただし、海外進出の可否は競合環境だけで決まるものではありません。市場規模や法規制、顧客ニーズ、採算性なども含めて総合的に検討する必要があります。
海外競合調査では何を調べる?主な調査項目
海外競合調査では、企業名を一覧化するだけでは十分ではありません。
「誰に」「何を」「いくらで」「どこで」「どのように販売しているか」という視点から競合企業を整理すると、自社との違いを比較しやすくなります。
代表的な調査項目を整理すると、以下のとおりです。
| 調査項目 | 主な確認内容 |
| 競合企業の基本情報 | 所在地、設立年、事業内容、売上高、拠点など |
| 商品・サービス | ラインナップ、機能、品質、仕様、サポートなど |
| 価格 | 通常価格、割引、料金体系、配送料など |
| ターゲット顧客 | 年齢、所得層、利用目的、顧客ニーズなど |
| 販売チャネル | 実店舗、EC、代理店、卸売、直接販売など |
| マーケティング施策 | Web広告、SNS、イベント、キャンペーンなど |
| 市場でのポジション | 市場シェア、認知度、店舗数、販売状況など |
| 強み・弱み | 競合の優位性、課題、自社との差別化余地など |
| 評判・口コミ | 評価されている点、不満、購入理由など |
以下では、それぞれの項目を詳しく解説します。
競合企業の基本情報
まずは、競合企業の全体像を把握します。
主な調査項目は以下のとおりです。
- 企業名
- 所在地
- 設立年
- 事業内容
- 従業員数
- 売上高
- 主要ブランド
- 主な進出地域
- 店舗数や拠点数
上場企業であれば、WebサイトやIR資料、年次報告書などから比較的多くの情報を確認できます。
一方、非上場企業では公開情報が限られることもあります。その場合は、一つの情報だけで判断せず、複数の情報源を組み合わせて確認します。
商品・サービスの特徴
次に、競合企業が提供している商品・サービスを確認します。
具体的には、次のような項目を比較します。
- 商品・サービスのラインナップ
- 主な機能や性能
- 品質
- デザイン
- 容量・サイズ
- 保証やサポート内容
- 現地向けに変更されている仕様
競合商品を一覧化すると、各社がどのような価値を訴求しているのかが見えやすくなります。
単純な機能比較に加え、「なぜ顧客に選ばれているのか」まで確認すると、競合の強みや自社との差別化余地を把握しやすくなります。
価格・料金体系
価格は、海外競合調査で確認したい主要な項目の一つです。
競合商品の販売価格だけでなく、以下も確認します。
- 通常価格
- セール価格
- 割引の頻度
- サブスクリプションなどの料金体系
- 配送料
- セット販売の有無
- 販売チャネルごとの価格差
海外では、税金や物流費、流通マージンなどが販売価格に影響する場合があります。
競合価格をそのまま自社の商品価格に当てはめるのではなく、現地で発生するコストも含めて価格戦略を検討しましょう。
ターゲット顧客・顧客ニーズ
競合企業が「誰に売っているのか」も確認します。
年齢や性別だけでなく、所得層、職業、ライフスタイル、利用目的などからターゲットを分析します。
たとえば同じ食品でも、高所得層向けの商品と日常消費向けの商品では、価格や販売場所、パッケージ、広告表現が異なる可能性があります。
競合がどの顧客層を狙っているのかを整理すると、自社が狙える顧客層や、既存商品では十分に満たされていないニーズを検討しやすくなります。
販売チャネル・流通経路
商品やサービスが「どこで、どのように販売されているか」も調査します。
主な販売チャネルには、次のようなものがあります。
- 実店舗
- 自社ECサイト
- ECモール
- 卸売業者
- 販売代理店
- 現地パートナー
- 法人向け直接販売
販売チャネルによって、必要となる物流体制やパートナー、手数料などは異なります。
競合企業の販売経路を調べることで、自社が参入する際に利用できるチャネルや、新たに開拓する必要があるチャネルを検討しやすくなります。
マーケティング・プロモーション施策
競合企業がどのように顧客へアプローチしているかも確認しましょう。
主な調査対象として、以下が挙げられます。
- Web広告
- SNS
- インフルエンサー施策
- メディア掲載
- 展示会・イベント
- 店頭プロモーション
- キャンペーン
- SEO
- メールマーケティング
SNSでは、競合が訴求しているメッセージや投稿内容、顧客とのコミュニケーション方法なども確認できます。
利用される媒体やサービスは国や地域によって異なるため、日本で一般的な施策だけを基準に判断しないようにしましょう。
市場でのポジション・シェア
可能であれば、競合企業が市場でどのようなポジションにいるのかも調べます。
市場シェアを把握できる場合は、競合各社の位置づけを比較する材料になります。
一方、市場シェアに関する公開データが得られない場合でも、ブランド認知度や店舗数、EC上での販売状況などを確認することで、競合企業の市場での存在感を推測する材料になります。
ただし、これらの指標は市場シェアそのものではありません。根拠なくシェアを推定せず、公開された統計や調査レポートなどの情報源を確認したうえで利用しましょう。
強み・弱み・差別化ポイント
収集した情報をもとに、競合企業の強みと弱みを整理します。
たとえば、以下のような比較表を作成すると、違いを可視化できます。
| 項目 | 競合A | 競合B | 自社 |
| 価格 | 低価格 | 高価格 | 中価格 |
| 商品数 | 多い | 少ない | 中程度 |
| 販売チャネル | EC中心 | 店舗中心 | EC・店舗 |
| ブランド認知 | 高い | 中程度 | 参入前 |
| サポート | 標準的 | 充実 | 充実予定 |
※上記は比較方法を示すための例です。
比較表を作成すると、自社が競合より優れている部分だけでなく、参入前に補うべき課題も把握しやすくなります。
現地での評判・口コミ
競合企業が発信する情報だけでは、実際の顧客評価まで把握できないことがあります。
そこで、ECサイトやSNS、口コミサイトなどから顧客の評価も確認します。
特に注目したいのは、次のような内容です。
- 高く評価されている点
- 不満が多い点
- 購入理由
- 利用シーン
- 競合商品との比較
- 改善を求める意見
口コミは個人の主観を含むため、少数の意見だけで市場全体の傾向を判断するのは避けましょう。
複数の情報を確認し、「どのようなニーズや不満がある可能性があるのか」という仮説を立てる材料として活用します。
海外競合調査の情報収集方法
海外競合調査では、一つの情報源に依存せず、複数の方法を組み合わせて情報を収集します。
公開情報を調べるデスクリサーチと、現地で顧客や事業者から情報を得る調査では、把握できる内容が異なります。
検索エンジン・競合企業のWebサイトを活用する
最初に取り組みやすい方法が、検索エンジンや競合企業のWebサイトを使ったデスクリサーチです。
競合企業のWebサイトからは、商品、価格、企業情報、販売地域などを確認できます。
このとき、日本語や英語だけで検索するのではなく、対象国の現地語でも検索すると情報の幅を広げられます。
現地語の商品カテゴリー名や「おすすめ」「比較」などに相当するキーワードで検索すると、日本語検索では見つからない現地企業や比較記事が見つかる場合があります。
SNS・口コミサイトを確認する
SNSや口コミサイトでは、競合企業の発信だけでなく、消費者の反応も調査できます。
確認するのはフォロワー数だけではありません。
投稿内容、更新頻度、反応の内容、顧客から寄せられている質問や不満なども確認しましょう。
ただし、SNSの反応だけでブランド全体の評価を判断するのは避け、他の調査結果と組み合わせて分析する必要があります。
ECサイト・業界プラットフォームを調査する
ECサイトは、BtoCの商品を調査する際に活用しやすい情報源です。
商品価格やレビューのほか、カテゴリー、ランキング、販売者、配送方法などを確認できます。
BtoBの場合は、業界ごとの企業データベースや業界プラットフォームも情報源になります。
複数の競合商品を同じECサイト上で比較すると、価格帯や商品の特徴を整理しやすくなります。
政府機関・業界団体・統計データを活用する
市場規模や企業動向を確認する場合は、公的機関や業界団体が公開している情報も活用できます。
日本貿易振興機構(JETRO)では、国・地域や産業別の海外ビジネス情報、調査レポートなどを公開しています。市場や競争環境を把握する際の情報源の一つとして利用できます。
対象国の政府統計機関、業界団体、商工会議所などが公開する資料も確認すると、企業サイトだけでは把握しにくい市場全体の情報を補完できます。
展示会・業界イベントで情報を集める
展示会や業界イベントでは、競合企業の商品や営業活動を直接確認できます。
Web上では把握しにくい新商品、商品展示の方法、顧客への訴求ポイントなどを確認できることがあります。
また、業界関係者との会話から市場動向に関する情報を得られる場合もあります。
ただし、展示会で得た個別の発言だけをもとに市場全体の傾向を判断せず、他の情報と照合しましょう。
現地ヒアリング・インタビューを実施する
公開情報だけでは不足する場合は、現地消費者や業界関係者へのインタビューも選択肢になります。
たとえば、以下のような対象者が考えられます。
- 現地消費者
- 販売店
- 卸売業者
- 業界関係者
- 現地パートナー候補
- 専門家
「なぜこの商品を選ぶのか」「既存商品にどのような不満があるのか」といった質問をすると、数字だけでは把握しにくい背景を理解する手がかりになります。
店頭調査・現地視察を行う
小売商品を扱う場合は、実際の店舗を訪れる店頭調査も有効です。
店頭では、以下のような項目を確認できます。
- 商品の陳列場所
- 売り場面積
- 競合商品との位置関係
- 販売価格
- パッケージ
- POPや販促物
- 店舗スタッフによる販売方法
Web上の情報だけでは、実際の売り場における商品の扱われ方まで把握しにくい場合があります。
特に流通や店頭での販売が重要な業界では、デスクリサーチと店頭調査を組み合わせることで、競合環境を具体的に把握しやすくなります。
海外競合調査の進め方・分析手順
海外競合調査では、情報収集を始める前に「何を判断するための調査なのか」を明確にします。
ここでは、基本的な進め方を6つのステップに分けて紹介します。
STEP1|調査目的と対象市場を明確にする
まず、「調査結果を使って何を判断したいのか」を決めます。
たとえば、以下のような目的が考えられます。
- 海外進出の可否を検討したい
- 進出候補国を比較したい
- 適正価格を検討したい
- 商品の差別化ポイントを探したい
- 販売チャネルを選びたい
目的によって必要な調査項目は変わります。
対象国、商品カテゴリー、顧客層なども最初に設定しておくと、必要以上に調査範囲が広がるのを防ぎやすくなります。
STEP2|競合企業を洗い出す
次に、対象市場に存在する競合企業をリストアップします。
このとき、自社とほぼ同じ商品を扱う企業だけでなく、顧客の同じニーズを満たす代替商品も考慮しましょう。
たとえば、自社の商品そのものと競合していなくても、顧客が同じ目的で購入する商品であれば競合になる可能性があります。
直接競合と間接競合を分けて整理すると、競争環境を捉えやすくなります。
STEP3|調査項目を設定する
続いて、競合企業ごとに比較する項目を決めます。
たとえば、以下のような項目です。
- 企業概要
- 商品・サービス
- 価格
- ターゲット
- 販売チャネル
- マーケティング施策
- 顧客評価
同じフォーマットで調査すると、企業ごとの差を比較しやすくなります。
STEP4|競合情報を収集する
設定した項目に沿って情報を収集します。
まずは企業サイトや公的機関、業界団体などの公開情報を確認し、不足する部分をSNS、口コミ、店頭調査、インタビューなどで補完する方法があります。
収集する際は、「どこから取得した情報なのか」「いつ取得した情報なのか」も記録しておきましょう。
後から情報を更新したり、信頼性を確認したりする際に役立ちます。
STEP5|競合企業を比較・分析する
情報が集まったら、競合企業ごとに比較します。
単に違いを並べるだけでなく、その背景まで考えることが分析のポイントです。
たとえば、「競合Aはなぜ高価格でも選ばれているのか」「競合Bはなぜ特定の販売チャネルに集中しているのか」といった視点で分析します。
3C分析やSWOT分析などのフレームワークを使うと、情報を整理しやすくなります。
STEP6|自社のポジショニングと参入戦略を検討する
最後に、分析結果を自社の戦略へ反映します。
主な検討項目は以下のとおりです。
- ターゲット顧客
- 商品・サービスの仕様
- 価格
- 販売チャネル
- 訴求ポイント
- プロモーション方法
競合企業が十分に対応できていない顧客ニーズが見つかれば、自社の差別化につながる可能性があります。
一方、競争が激しく、自社の優位性をつくることが難しいと判断した場合は、市場やターゲットを見直すことも選択肢です。
海外競合調査で活用できる分析フレームワーク
競合情報を整理する際は、分析フレームワークを活用すると情報を構造化しやすくなります。
ここでは、代表的な4つを紹介します。
3C分析
3C分析では、次の3つの視点から市場環境を整理します。
- Customer(市場・顧客): 市場規模、顧客ニーズ、購買行動など
- Competitor(競合): 競合企業の商品、価格、強み、販売方法など
- Company(自社): 自社の商品、技術、ブランド、販売力など
競合だけを見るのではなく、市場・顧客と自社を合わせて分析できるため、自社が取るべき戦略を検討する際に利用できます。
SWOT分析
SWOT分析では、自社を取り巻く状況を4つに分けて整理します。
- Strength(強み)
- Weakness(弱み)
- Opportunity(機会)
- Threat(脅威)
たとえば、「高品質な商品」は強みになり得る一方、価格競争が激しい市場では、製造コストの高さが弱みになる可能性があります。
同じ要素でも市場環境によって評価が変わるため、現地の競合状況を踏まえて整理します。
4P分析
4P分析では、マーケティング施策を以下の4つに分けます。
- Product(商品・サービス)
- Price(価格)
- Place(流通・販売チャネル)
- Promotion(販売促進)
競合企業を4Pごとに比較すると、「商品の特徴は似ているが価格が異なる」「販売チャネルに違いがある」といった差を整理できます。
自社の商品戦略や販売戦略を検討する際にも活用できます。
ポジショニングマップ
ポジショニングマップとは、2つの評価軸を設定し、競合商品やブランドの位置関係を可視化する方法です。
たとえば、「価格の高低」と「機能の多さ」を軸にすると、市場にどのような商品が集中しているのかを整理できます。
ただし、評価軸は分析者側の都合だけで決めるのではなく、顧客が商品を選ぶ際に重視する要素を踏まえて設定しましょう。
海外競合調査にかかる費用と外部委託
海外競合調査の費用は、調査方法、対象国、調査対象者、必要な情報量などによって異なります。
Web上の公開情報だけを使った調査と、現地インタビューや店頭調査まで含む調査では、必要な費用も変わります。
そのため、「海外競合調査は一律で○万円」と考えるのではなく、調査目的や必要な情報に応じて予算を検討することが必要です。
自社で調査する場合の費用
自社でWeb検索や公的資料の収集を行う場合、外部への調査委託費は抑えられます。
一方で、担当者が調査に費やす人件費や、有料データベース、翻訳、出張などのコストが発生する場合があります。
主な費用は以下のとおりです。
- 人件費: 調査担当者が情報収集や分析に費やす工数
- 情報収集費: 有料レポートやデータベースの利用料
- 翻訳・通訳費: 現地語の資料やインタビューに対応するための費用
- 渡航・宿泊費: 現地調査や展示会に参加する場合の費用
- 参加費: 展示会や業界イベントなどへの参加費
- 謝礼: インタビュー対象者などへの謝礼
簡易的な競合調査であれば自社で対応できる場合もあります。
ただし、現地語での情報収集や専門的な業界調査では、社内に必要な人材や時間を確保できるかも確認しておきましょう。
調査会社へ依頼する場合の費用
海外競合調査に限定した統一的な料金相場はありません。
参考として、海外市場調査や海外リサーチの公開料金を見ると、デスクリサーチで10万〜150万円、定量調査30万〜150万円、定性調査80万〜300万円以上を目安として紹介している例があります。
また、別の海外調査に関する公開情報では、調査全体の費用として100万〜400万円程度を一つの目安としている例もあります。
ただし、これらは海外競合調査だけを対象とした統一的な相場ではなく、海外市場調査や海外リサーチを含む参考値です。
競合企業数や調査項目、対象国、現地調査の有無などによって実際の費用は変動します。
また、海外インタビュー調査では、対象者の募集、謝礼、翻訳、通訳、モデレーターなどの費用が個別に発生する料金例も公開されています。
そのため、外部委託を検討する場合は、具体的な調査目的や対象国、必要な調査項目を伝えたうえで見積もりを取得しましょう。
調査費用を左右する主な要因
海外競合調査の費用は、主に以下の条件によって変わります。
- 対象国・地域: 調査対象国が増えるほど調査量も増える
- 調査範囲: 調査する競合企業や項目が多いほど工数が増える
- 調査方法: デスクリサーチだけか、インタビューや現地調査まで行うかで異なる
- 対象者: 専門家や経営者など、条件の厳しい対象者へのインタビューは募集難易度が高くなる
- サンプル数: アンケートやインタビューの対象者が多いほど費用が増える
- 言語: 翻訳や通訳が必要な場合は追加費用が発生する
- 分析・レポートの内容: 情報収集のみか、分析や戦略提案まで依頼するかによって工数が変わる
予算を抑えたい場合は、最初からすべてを調査するのではなく、意思決定に必要な項目から優先順位を付ける方法があります。
海外競合調査を外部に依頼するメリット
外部の調査会社を利用するメリットの一つは、自社だけでは集めにくい情報を収集しやすくなることです。
たとえば、以下のような調査があります。
- 現地語でのリサーチ
- 現地消費者へのインタビュー
- 競合商品の店頭調査
- 業界関係者へのヒアリング
- 複数国を対象とした調査
これらは、社内の人材やネットワークによっては対応が難しい場合があります。
また、第三者の視点を加えることで、自社内の前提や仮説とは異なる角度から競争環境を整理できる場合があります。
ただし、調査目的や必要な情報が曖昧なまま依頼すると、集めた情報を意思決定に十分活用できない可能性があります。
外部委託する場合も、「何を判断するための調査なのか」を事前に明確にしておきましょう。
海外競合調査会社を選ぶポイント
海外競合調査を依頼する会社は、料金だけで決めず、調査内容や対応範囲も確認しましょう。
主な確認ポイントは以下のとおりです。
- 対象国: 調査したい国・地域に対応しているか
- 業界・商材: 自社の業界や商材に関する知識があるか
- 調査手法: 現地調査やインタビューなど必要な方法に対応できるか
- 情報源: どのような情報源を使って調査するのかが明確か
- 成果物: 報告書に含まれる内容や納品形式が明確か
- 対応範囲: 情報収集だけでなく分析や戦略策定まで依頼できるか
- 見積もり: 料金に含まれる業務範囲が明確か
複数社から見積もりを取得する場合は、金額だけでなく「どこまで調査してもらえるのか」を比較することが大切です。
海外競合調査を行う際の注意点
海外競合調査では、情報量を増やすだけでなく、調査方法や情報の扱い方にも注意が必要です。
ここでは、調査で失敗しないために確認しておきたいポイントを紹介します。
日本語・英語の情報だけで判断しない
対象国によっては、現地企業や消費者に関する情報が現地語で発信されています。
日本語や英語だけで検索すると、日系企業やグローバル企業に情報が偏り、現地企業を十分に把握できない可能性があります。
可能であれば、現地語で企業名、商品カテゴリー、口コミなども検索しましょう。
翻訳ツールを活用する方法もありますが、商習慣や独特の表現などを正確に理解できない場合があります。意思決定への影響が大きい情報については、現地語を理解する人材による確認も検討しましょう。
公開情報だけに頼りすぎない
Webサイトや統計などの公開情報は有用ですが、すべての情報が公開されているわけではありません。
たとえば、実際の購買理由や販売現場での評価、流通上の課題などは、Webだけでは把握しにくい場合があります。
重要度の高い市場では、デスクリサーチだけで判断せず、必要に応じて現地ヒアリング、インタビュー、店頭調査などを組み合わせましょう。
国ごとの文化・商習慣・競争環境を考慮する
海外競合調査では、日本市場の常識をそのまま当てはめないことがポイントです。
同じ商品でも、利用シーンや購入理由、好まれるデザイン、価格に対する感覚などは市場によって異なる場合があります。
また、代理店との取引方法や小売店への参入方法など、商習慣にも違いがあります。
「日本で売れているから海外でも売れる」と考えるのではなく、対象市場での顧客ニーズと競合環境を確認したうえで評価しましょう。
情報の鮮度と信頼性を確認する
競合情報を利用する際は、「いつ、誰が、どのような目的で公表した情報なのか」を確認します。
特に価格、商品ラインナップ、店舗数、経営情報などは変化する可能性があります。
調査時には、次の項目を確認しておきましょう。
- 公開日・更新日: いつ時点の情報なのか
- 情報源: 企業、公的機関、メディアなど、誰が発信しているのか
- 一次情報・二次情報: 元となる情報まで確認できるか
- 複数ソースでの確認: 他の情報源でも同様の内容を確認できるか
重要な意思決定に利用する情報については、一つのWebサイトだけを根拠に判断しないようにしましょう。
調査結果を集めただけで終わらせない
海外競合調査で注意したいのが、情報収集やレポート作成そのものを目的にしてしまうことです。
競合企業の情報を整理したら、「その結果から自社は何を判断するのか」を明確にする必要があります。
たとえば、
- どの競合を特に注視するのか
- 自社が狙える顧客層はどこか
- 競合と何を差別化するのか
- 現在の商品や価格を変更する必要があるか
- 追加で調査すべき情報は何か
といった観点から、次のアクションを整理しましょう。
第4章で検討した参入戦略を実行に移すためにも、調査結果を意思決定につなげることが重要です。
まとめ|海外競合調査を海外進出の戦略策定に活かそう
海外競合調査では、競合企業の基本情報だけでなく、商品・サービス、価格、ターゲット、販売チャネル、マーケティング施策、顧客評価などを幅広く確認します。
まずは公開情報を使ったデスクリサーチから始め、必要に応じて現地ヒアリングやインタビュー、店頭調査を組み合わせる方法があります。
また、収集した情報は、3C分析やSWOT分析、4P分析、ポジショニングマップなどを用いて整理すると、自社との違いや差別化できるポイントを把握しやすくなります。
海外競合調査で大切なのは、情報収集そのものを目的にしないことです。
「どの市場へ進出するのか」「誰をターゲットにするのか」「競合と何を差別化するのか」といった意思決定につなげることを意識しましょう。
自社だけでは現地企業の情報を十分に収集できない場合や、現地でのヒアリング・調査が必要な場合は、海外調査に対応した専門会社へ相談することも選択肢の一つです。
調査の目的と必要な情報を整理したうえで、自社に適した調査方法を検討しましょう。
グローハイのサービス詳細についてはこちら:https://glohai.com/
お問い合わせはこちら:https://glohai.com/contact
■グローハイでは、市場調査やローカライズを軸に、日本企業の海外進出を支援してきました。
市場分析に加え、海外ビジネスマッチングや現地法人設立支援まで一気通貫で対応できる点が強みです。
進出先市場の特性や現地ニーズに合わせた海外展開を検討している方は、以下のサービスページをご覧ください。
