海外進出にはどんなリスクがある?代表的なリスクと回避策を解説

海外進出を検討する際、「どのようなリスクがあるのか」「失敗を防ぐために何を準備すべきか」と不安を感じる企業もあるでしょう。
想定されるリスクを事前に整理し、対策を準備しておけば、問題が発生した際の影響を抑えることにつながります。
この記事では、海外進出で想定される代表的なリスクと企業への影響、リスクを回避・軽減するための対策について解説します。海外進出を検討している企業は、進出計画を立てる際の参考にしてください。
■グローハイでは、市場調査やローカライズを軸に、日本企業の海外進出を支援してきました。
市場分析に加え、海外ビジネスマッチングや現地法人設立支援まで一気通貫で対応できる点が強みです。
進出先市場の特性や現地ニーズに合わせた海外展開を検討している方は、以下のサービスページをご覧ください。
海外進出におけるリスクとは
海外進出におけるリスクとは、海外で事業を行うことで生じる可能性のある不確実性や損失要因のことです。
市場環境だけでなく、法規制や政治情勢、為替、人材、物流など、さまざまな要素が海外事業に影響します。
海外進出でリスクが生じる理由
海外進出でリスクが生じる大きな理由は、進出先の事業環境が日本国内とは異なるためです。
たとえば、会社設立や外資規制、税制、労働法などは国・地域ごとに異なります。JETROでも、各国・地域について会社設立手続きや税務、雇用制度などの情報を提供しています。
さらに、現地消費者のニーズや価格感覚、商習慣、契約に対する考え方なども日本と同じとは限りません。
そのため、日本で成功している商品やビジネスモデルをそのまま海外へ持ち込んでも、想定した成果を得られない可能性があります。
加えて、海外事業では為替変動や地政学的リスク、物流の停止など、企業単独では回避しにくい問題も考える必要があります。
経済産業省の「通商白書2026」でも、世界経済を取り巻く不確実性の高まりや経済的威圧への懸念を取り上げるとともに、海外市場の獲得とサプライチェーンの強靱化を重要な課題として位置づけています。
出典:通商白書2026 https://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2026/whitepaper_2026.html
進出前にリスクを把握する重要性
海外進出では、すべてのリスクを完全に避けることは困難です。
重要なのは、発生する可能性のあるリスクを事前に洗い出し、「発生する可能性」と「発生した場合の影響」を把握することです。
たとえば、次のような項目を整理します。
- 法規制:事業に必要な許認可や外資規制はないか
- 市場:現地に十分な需要があるか
- 為替:為替レートが変動した場合に利益を確保できるか
- 人材:必要な人材を採用・定着させられるか
- 物流:特定の輸送ルートや仕入先に依存していないか
- 政治・社会情勢:事業継続に影響する不安定要因はないか
進出前にこれらを確認しておけば、進出方法や投資規模を決める際の判断材料になります。
海外進出で想定される代表的なリスク
海外進出で想定されるリスクは、特定の分野だけに限られません。
主なリスクと対策の方向性を整理すると、以下のとおりです。
| リスク | 主な内容 | 主な対策 |
| 法律・規制・税務 | 外資規制、税務、許認可など | 現地制度の確認、専門家への相談 |
| 政治・社会情勢 | 政情不安、治安悪化、災害など | 最新情報の収集、緊急時対応の整備 |
| 為替・資金 | 為替変動、資金負担 | 複数の為替水準で収支を試算 |
| 市場調査不足 | 需要や価格帯の見誤り | 市場・競合調査、テスト販売 |
| 文化・商習慣 | 商談方法、契約認識などの違い | 現地顧客・取引先へのヒアリング |
| 人材・労務 | 採用、労働法、給与制度など | 現地制度の確認、管理体制の整備 |
| 現地パートナー | 能力不足、認識のずれ | 事前調査、契約内容の明確化 |
| 物流・サプライチェーン | 調達・輸送の停止 | 調達先・物流ルートの分散 |
| 知的財産・模倣品 | 商標侵害、模倣品、情報流出 | 権利取得、秘密情報の管理 |
ここからは、それぞれのリスクについて詳しく解説します。
法律・規制・税務に関するリスク
海外進出では、進出先の法規制や税制を正しく理解する必要があります。
国によっては、特定業種への外国企業の参入や外国資本比率に制限を設けている場合があります。また、会社設立、営業許可、製品表示、個人情報、輸出入などに関するルールも国によって異なります。
税務についても注意が必要です。
たとえば、海外で一定の事業活動を行う場合、「恒久的施設(PE)」に該当するかどうかは、海外で得た事業所得に対する進出国の課税関係を判断する重要な要素の一つです。
実際の課税関係は、各国の税制や租税条約、事業形態などによって異なります。
法規制や税務に関する認識不足があると、追加コストや行政手続きの遅延などにつながる可能性があります。進出前に現地制度を確認し、必要に応じて弁護士や税理士などの専門家へ相談しましょう。
政治・社会情勢に関するリスク
海外では、政治や社会情勢の変化によって事業環境が大きく変わることがあります。
想定される要因としては、次のようなものがあります。
- 政権交代や政策変更
- 国際関係の悪化
- 紛争やテロ
- 暴動やデモ
- 治安悪化
- 自然災害
外務省の海外安全情報でも、海外で想定すべき危険として、政情不安、暴動、内戦、テロ、一般犯罪、自然災害などが挙げられています。
これらが発生すると、従業員の安全確保だけでなく、店舗や工場の休止、物流停止などにつながる可能性があります。
進出国を検討する際は、市場規模や成長性だけで判断せず、政治・治安・外交関係なども確認しておきましょう。また、情勢が変化した場合に備え、情報収集の方法や緊急時の連絡体制を整えておくことも重要です。
為替変動・資金面のリスク
海外取引では、為替レートの変動によって売上や仕入コスト、利益が変化する可能性があります。
たとえば、現地通貨で売上を受け取り、日本円に換算する事業では、為替変動によって円換算後の売上が変わります。
反対に、外貨で原材料や商品を仕入れる場合は、為替の動きによって調達コストが上昇する可能性があります。
海外進出前には、現在の為替レートだけを前提とせず、複数の為替水準を想定して収支を試算しておくことが重要です。
市場調査不足によるリスク
海外進出では、日本国内での成功実績だけを基準に需要を判断しないことが重要です。
商品やサービスに対するニーズは、国や地域によって異なります。
たとえば、日本では適正と考えられる価格でも、現地では高すぎると判断される場合があります。また、商品のサイズや味、機能、デザインなどが現地消費者の好みに合わない可能性もあります。
市場調査では、単に人口や市場規模を見るだけでなく、次のような点を確認しましょう。
- 顧客層:どのような消費者や企業が対象になるか
- 購買力:想定する価格帯に十分な需要があるか
- 競合企業:どの企業や商品が競合になるか
- 販売チャネル:店舗、代理店、ECなど、どの経路が利用されているか
- ニーズ:現地でどのような価値が求められているか
- 参入障壁:規制や既存企業との競争など、参入を妨げる要因はないか
進出前に仮説を立て、小規模なテスト販売や商談を通じて市場の反応を確認する方法もあります。
文化・商習慣の違いによるリスク
文化や商習慣の違いも、海外進出で注意すべきポイントです。
コミュニケーション方法や意思決定の進め方、契約に対する認識などは、国や企業によって異なります。
また、広告表現や商品名、パッケージなどについても、日本では問題のない表現が現地では異なる意味に受け取られる可能性があります。
文化の違いを単純な「国民性」として判断するのではなく、現地顧客や取引先へのヒアリングを通じて実態を把握することが重要です。
人材採用・労務管理に関するリスク
海外拠点では、人材の採用や労務管理についても現地の法令や制度に合わせる必要があります。
最低賃金や労働時間、休暇、社会保険、解雇手続きなどのルールは国によって異なります。
また、法令や制度に対応するだけでなく、現地で求められる給与水準や福利厚生、評価制度などを理解することも大切です。
JETROでも、国・地域ごとに人事・労務管理に関する情報提供やセミナーなどを行っています。
現地の労働法を確認するとともに、日本本社と現地拠点の役割や権限を明確にしておきましょう。採用方針や評価制度、情報共有の方法なども事前に整理しておくと、管理上のリスクを抑えやすくなります。
現地パートナーとのトラブルリスク
現地企業との提携は、海外進出を進める方法の一つですが、パートナー選定には注意が必要です。
販売代理店や合弁相手の能力、財務状況、取引実績などを十分に確認しないまま契約すると、期待した販売活動が行われないなどの問題につながる可能性があります。
また、口頭で合意した内容について、双方の認識が異なるケースも考えられます。
トラブルを防ぐためにも、重要な取り決めは口頭だけで済ませず、契約書などで明文化しておくことが重要です。
契約前には相手企業を調査し、販売地域、役割、費用負担、契約期間、解除条件などを明確にしておきましょう。
物流・サプライチェーンに関するリスク
海外進出では、原材料の調達から生産、輸送、販売までのサプライチェーンが複雑になる場合があります。
地政学的緊張や自然災害などによって、特定地域からの調達や輸送が止まる可能性もあります。
特定の仕入先や国、輸送経路だけに依存している場合、トラブル発生時の影響が大きくなる可能性があります。
そのため、代替仕入先や複数の物流ルートをあらかじめ検討し、特定地域への依存度を把握しておくことが重要です。
知的財産・模倣品に関するリスク
海外では、商標や特許、デザイン、技術情報などの知的財産をどのように守るかも重要です。
海外進出に伴って、模倣品の流通や技術・ノウハウの流出などが発生する可能性があります。JETROも、模倣品による知的財産権侵害が販売機会やブランドイメージなどに影響する可能性を指摘しています。
また、日本国内で権利を取得しているからといって、必ずしも海外でも同じ権利が保護されるとは限りません。
進出前には、進出先における商標や特許などの登録状況を確認しましょう。必要に応じて、現地での出願や秘密情報の管理、取引先との秘密保持契約などを検討することも重要です。
海外進出のリスクが企業に与える影響
海外進出に伴うリスクは、単発のトラブルだけで終わるとは限りません。
対応が遅れると、収益、事業継続、ブランドや企業としての信用など、複数の領域へ影響が広がる可能性があります。
売上・利益への影響
海外進出のリスクは、売上や利益に直接影響することがあります。
たとえば、市場調査が不十分で需要を見誤れば、商品が想定どおり売れず、在庫や固定費の負担が増える可能性があります。
また、為替変動による仕入価格の上昇や、物流コストの増加が利益を圧迫することも考えられます。
そのため、進出計画では売上予測だけでなく、複数のリスクを反映した収支シミュレーションを行うことが重要です。
事業継続への影響
政治情勢の悪化や法改正、物流停止などは、現地事業そのものの継続に影響する可能性があります。
特に、仕入先や生産拠点を1か所に集中させている場合は注意が必要です。
代替調達先や代替物流ルートを事前に検討しておけば、問題が起きた際に事業停止の影響を軽減しやすくなります。
事業継続の観点から、重要な調達先や物流経路については、代替手段の有無を確認しておきましょう。
ブランドや企業としての信用への影響
海外で発生した問題は、現地法人だけでなく、日本本社のブランドや企業としての信用にも影響する可能性があります。
たとえば、品質管理上の問題や労務トラブル、模倣品の流通などによって、顧客や取引先からの信頼が低下するケースが考えられます。
また、SNSなどを通じて、現地で発生した出来事が他国の消費者や取引先に伝わる可能性もあります。
海外拠点を独立した存在として扱うのではなく、グループ全体で品質やコンプライアンスに関する基準を整備することが大切です。
海外進出のリスクを回避・軽減するための対策
海外進出のリスクをゼロにすることは困難ですが、進出前の調査や体制整備によって影響を抑えることは可能です。
ここでは、代表的なリスクに対する具体的な対策を紹介します。
現地市場や競合を十分に調査する
まず重要なのは、進出を予定している市場について具体的に調査することです。
人口やGDPなどのマクロデータだけで判断せず、自社の商品・サービスを購入する可能性のある顧客を明確にします。
具体的には、次のような項目を確認するとよいでしょう。
- 顧客層:誰が顧客になるのか
- 市場規模:どの程度の需要が見込めるか
- 競合:どの企業や商品が競合になるのか
- 価格帯:現地で受け入れられる価格はいくらか
- 販売チャネル:どの販売経路が利用されているか
- 選定理由:自社商品・サービスを選ぶ理由があるか
調査結果をもとに、必要であれば商品、価格、販売方法などを現地市場向けに調整します。
法律・規制・税制を事前に確認する
進出国を決定する前に、事業に関係する法規制や税制を確認しましょう。
特に確認したいのは、次の項目です。
- 外資規制
- 会社設立制度
- 営業許可・ライセンス
- 輸出入規制
- 労働法
- 税制
- 知的財産制度
- 個人情報保護に関する規制
これらは国や業種によって異なり、制度変更が行われる場合もあります。
JETROなどの公的機関から情報を収集するとともに、具体的な法的・税務上の判断については、現地制度に詳しい専門家へ確認することが重要です。
信頼できる現地パートナーを選定する
現地パートナーを利用する場合は、候補企業を複数比較したうえで慎重に選びましょう。
企業規模や知名度だけでなく、次のような項目を確認します。
- 取引実績:過去にどのような企業と取引しているか
- 財務状況:継続的な取引に問題がないか
- 販売網:自社が想定する顧客へアプローチできるか
- 人員体制:必要な業務を担当できる人材がいるか
- 業界での評判:取引先や顧客からの評価に問題がないか
- 自社商品への理解:商品・サービスの特徴を理解しているか
- コンプライアンス体制:法令遵守の体制が整っているか
可能であれば現地を訪問し、担当者との面談やオフィス・店舗の確認を行うことも有効です。
契約内容や責任範囲を明確にする
海外企業との取引では、双方の認識のずれを防ぐために契約内容を明確にすることが重要です。
少なくとも、次の項目は事前に確認しましょう。
- 業務範囲
- 販売地域
- 費用負担
- 支払条件
- 知的財産の扱い
- 秘密保持
- 契約期間
- 契約解除条件
- 問題発生時の責任範囲
- 紛争解決方法
契約内容は、準拠法や進出先の法制度などによって扱いが異なる場合があります。必要に応じて、現地法や国際取引に詳しい弁護士などへ確認しましょう。
為替・資金リスクへの備えを行う
海外事業の事業計画では、現在の為替レートだけを前提にしないことが重要です。
為替が一定幅変動した場合に、売上や利益がどの程度変化するかを複数のケースで試算します。
さらに、売上と仕入れを同じ通貨にするなど、為替変動の影響を抑える方法も考えられます。
必要に応じて金融機関へ相談し、為替予約などの手段を検討することも選択肢の一つです。
複数の調達・物流ルートを検討する
サプライチェーンのリスクを軽減するには、特定の企業や地域への依存度を把握することが重要です。
主要な原材料や商品については、次のような項目を検討しておきましょう。
- 代替仕入先:現在の仕入先が利用できない場合の候補を確保する
- 代替生産拠点:生産停止時に切り替えられる拠点を検討する
- 代替輸送ルート:港湾や航空便などの代替経路を確認する
- 在庫量:供給停止時に必要となる在庫水準を検討する
すべてを複数化するとコストが増える可能性もあるため、事業への影響が大きい項目から優先的に対策しましょう。
人材・知的財産などの管理体制を整える
人材や知的財産に関するリスクは、進出後の運営体制によっても左右されます。
人材面では、現地の労働法を確認したうえで、採用、評価、給与、権限分担などのルールを整備します。日本本社と現地拠点の間で、誰がどの判断を行うのかを明確にしておくことも重要です。
知的財産については、進出先で必要な権利を確認し、必要に応じて商標や特許などの出願を検討します。
また、技術情報や顧客情報などの秘密情報については、アクセス権限や秘密保持契約などを通じて管理することが重要です。
政治・社会情勢の変化に備える
政治・社会情勢に関するリスクは、企業だけで完全に防ぐことは困難です。そのため、変化を早期に把握し、発生時に対応できる体制を整えることが重要です。
具体的には、外務省や現地政府などの情報を継続的に確認し、治安悪化や災害などが発生した場合の対応方法を決めておきます。
従業員の安否確認、拠点の一時休止、代替物流ルートへの切り替えなど、想定される状況ごとに対応策を整理しておくとよいでしょう。
海外進出のリスクを抑えるために事前に確認すべきポイント
最後に、ここまで解説したリスクと対策を踏まえ、海外進出を決定する前に確認しておきたいポイントを整理します。
第4章で紹介した対策を実行できる体制が整っているか、最終チェックとして確認しましょう。
進出国・地域の選定は適切か
海外進出先は、市場の大きさだけで決めないことが重要です。
市場性に加えて、法規制、政治情勢、物流環境、人材確保のしやすさなどを総合的に比較しましょう。
自社にとって重要な条件を設定し、候補国・地域を比較すると判断しやすくなります。
必要な資金・人材・体制を確保できているか
海外進出には、拠点設立費用だけでなく、採用費、専門家への相談費用、マーケティング費用、物流費なども発生します。
売上が計画どおりに立ち上がらない期間も想定し、必要な運転資金を検討しておきましょう。
また、現地拠点だけに負担を集中させず、日本本社側で誰が海外事業を管理するのかも明確にする必要があります。
トラブル発生時の対応策を決めているか
海外進出前には、問題が起こらないことを前提とするのではなく、発生した場合の対応を決めておきましょう。
たとえば、次のような状況を想定します。
- 物流が停止した場合
- 主要取引先との契約が終了した場合
- 政治情勢が急変した場合
- 為替が大きく変動した場合
- 現地責任者が退職した場合
それぞれについて、対応責任者や連絡経路、代替手段を整理しておくことで、問題発生時に初動を取りやすくなります。
撤退基準をあらかじめ設定しているか
海外進出では、事業開始時に撤退基準まで決めておくことも重要です。
売上や利益が計画を下回っているにもかかわらず現地拠点への投資を続けると、損失が拡大する可能性があります。
たとえば、次のような基準をあらかじめ検討します。
- 一定期間、目標売上を達成できない
- 累積損失が一定額を超える
- 法規制によって事業継続が困難になる
- 市場環境が大きく変化する
撤退手続きや必要な期間・費用は国によって異なります。進出時点から、現地法人の清算や契約終了など、撤退時に必要となる手続きも確認しておきましょう。
海外進出のリスク対策では専門家の活用も有効
海外進出では、自社だけで必要な情報をすべて調査し、判断することが難しい場合があります。
特に法律、税務、労務、契約などは専門性が高いため、必要に応じて外部の専門家を活用しましょう。
自社だけで判断することの難しさ
海外の法制度や市場環境は国ごとに異なり、制度変更が行われることもあります。
インターネット上で一般的な情報を収集できても、自社の業種や進出形態に制度がどのように適用されるかまで判断するには、専門知識が必要な場合があります。
また、市場調査についても、統計データだけでは現地顧客のニーズや商習慣を十分に把握できない可能性があります。
そのため、自社で調査・判断できる領域と、専門家へ確認すべき領域を分けて進めることが大切です。
海外進出支援会社や現地専門家を活用するメリット
海外進出を検討する際は、JETROなどの公的支援機関のほか、弁護士、税理士、会計士、コンサルティング会社、海外進出支援会社などを活用できます。
JETROも、海外への輸出・進出では、物流、保険、決済、通訳、契約など、さまざまな外部サービスを組み合わせて利用することの重要性を案内しています。
外部の専門家や支援機関を活用することで、たとえば次のような支援を受けられます。
- 進出候補国の比較
- 市場・競合調査
- 現地企業の調査
- 法規制・税制の確認
- パートナー企業の選定
- 契約内容の確認
- 現地法人設立の支援
- 人材採用や労務管理の支援
ただし、外部へすべてを任せるのではなく、最終的な事業判断は自社で行うことが重要です。
目的や予算、進出段階に合わせて必要な支援を選びましょう。
まとめ|海外進出はリスクを把握して計画的に進めよう
海外進出では、新しい市場への参入機会がある一方、日本国内とは異なるさまざまなリスクへの対応が求められます。
代表的なリスクとしては、以下が挙げられます。
- 法律・規制・税務
- 政治・社会情勢
- 為替・資金
- 市場調査不足
- 文化・商習慣
- 人材・労務管理
- 現地パートナー
- 物流・サプライチェーン
- 知的財産・模倣品
重要なのは、海外進出のリスクを必要以上に恐れることではなく、自社に関係するリスクを事前に把握し、対策を準備することです。
市場調査や法規制の確認、現地パートナーの選定、契約内容の整備、サプライチェーンの見直し、人材・知的財産の管理体制整備などを進出前から進めましょう。
また、法律や税務など、自社だけでは判断が難しい分野については、公的支援機関や現地専門家、海外進出支援会社を活用することも選択肢です。
十分な情報収集とリスク管理を行い、自社の目的や経営資源に合った海外進出計画を立てることが重要です。
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