海外に販路拡大したい!でも店舗はいらない!
こんなお悩みありませんか?
- 言葉や文化の違いによる壁が不安
- 法律や税金のルールが複雑で、越境ECに踏み出しづらい
- 商品の海外発送や通貨の問題ってどう解決したらいいの?
本記事では、越境ECの始め方や、アメリカと中国の人気なECサイトについてご紹介します!これを読めば、日本にいながら海外に販路拡大ができるかも?
目次
- 越境ECとは?
- 越境ECの種類
- 越境ECの始め方
- 越境ECの成功事例
- Amazonグローバルセリング
- eBay
- 天猫国際
- 京東全球購
- まとめ
越境ECとは?
そもそも、「EC」とは何でしょうか。ECは「Electronic Commerce」の頭文字を取ったもので、日本語では「電子商取引」を意味します。
本記事で取り上げる「越境EC」とは、その中でも海外市場にて日本の商品を販売したり、海外のECモールを活用し販売することを指します。
越境ECの種類
越境ECは、大きく2種類に分けられます。
- 既存のサイトにショップを開設する方法です。
- 自社のECサイトを作ってそこで商品を販売する方法です。
前者のメリットとしては、既存のサイトは利用者がいる状態なので、サイトを閲覧してもらいやすいことがまず挙げられます。そして、サイトのデザインなどを自分で手掛ける必要がないから、参入のハードルが低いと言えます。
例えば、世界中で展開し、FBAやカスタマーサポートが特徴のAmazonやオークションと固定価格販売、国際取引が可能で、バイヤー・セラーの評価システムもあるeBayなどが挙げられます。
今回はアメリカと中国のECサイトをそれぞれ2つずつ、合計4つのサイトをご紹介します。
1.Amazonグローバルセリング
AmazonグローバルセリングはアメリカのECサイトです。通常のAmazonと違い、グローバルセリングでのショップ開設をすれば、どの国もマーケットプレイスでも出品が出来ます。また、常設の解説動画や公式セミナー、初心者ガイドがあり、登録や出品、発送まで安心して進められます。そして、「フルフィルメント」というサービスを使えば、Amazonの物流拠点に商品の発送をするだけで、商品の保管や梱包、発送をAmazonに任せることが出来ます。
2.eBay
eBayもAmazonと同様にアメリカのECサイトです。eBayでも、アカウント作成についての公式セミナーが開催されます。そのため、登録が上手くできるか不安な方も安心して始めることが出来ます。また、料金については6つのプランがあり、月額費用なしのプランも用意されています。そして、出品する際に気を付けるといいポイントなどを公式サイト(押下すると開きます)で紹介している点も、ECサイト初心者には頼もしいと言えます。
3.天猫国際
天猫国際は中国のECサイトです。天猫国際でのショップの形態は3つあります。まず、ショップを開設して小売店として商品を販売する形態があります。そして、天猫国際を運営するアリババに商品を売り、天猫国際が商品を販売する形態があります。また、Amazonと同様にフルフィルメントでの販売も可能です。料金については保証金や年会費が必要で、初期費用は前の2つよりも高くなると言えます。しかし、人口が非常に多い中国市場に参入できればかなりの売上が見込めそうです。
4.京東全球購
京東全球購も天猫国際と同様に中国のECサイトです。京東全球購は中国のECサイトの売上で、天猫国際に次いで2位となっています。また、京東全球購では日本の製品が人気で、それもあって「日本館」という日本企業に特化したサイトも開設されています。このことからも、日本企業の販路拡大に利用できそうです。
モール型ECを利用した海外進出の手順は、
- アカウント登録・情報準備
- 商品登録・価格設定
- 国際配送・物流
- カスタマーサポート準備
- マーケティング戦略の策定
- 法律規制遵守
- 成果分析・改善
メリットは既存顧客・信頼性、物流・広告支援、市場洞察などが挙げられます。注意すべき点は手数料・競争激化、ブランド制御難、リスク・データ制約などが挙げられます。
後者のメリットとしては、同じサイトに競合他社の商品が表示されないことが挙げられます。そして、サイトのデザインなどを1から作らなければいけない反面、自由にサイトを作ることができます。
自社型越境ECプラットフォームの代表的な例として、Shopify、BuyeeConnect、Wixを紹介します。それぞれには独自のメリットと検討すべきポイントがあります。
1.Shopify
Shopifyはウェブサイトのカスタマイズ性が高く、独自のブランドイメージを構築できる点が大きな魅力です。アプリストアから多彩なアプリやツールを追加することで、サイトの機能や拡張性を向上させることができます。また、多言語・多通貨に対応し、国際市場に適した決済オプションを提供できるため、海外展開に向いています。しかし、カスタマイズのための初期設定が煩雑であり、アプリの追加にはコストがかかること、高度な技術的知識が必要な場合もあることに注意が必要です。
2.BuyeeConnect
BuyeeConnectはオムニチャネル展開が得意で、フィジカル店舗とECサイトを連携させることで顧客体験を最適化できます。商品管理を一元化し、在庫や商品情報を効率的に管理できるため、多チャネル販売を円滑に行えます。また、顧客データを活用してパーソナライズされたマーケティング戦略を展開することができます。ただし、オムニチャネルの運用は複雑であり、適応が難しい業種もあること、運用コストが発生することに留意が必要です。
3.Wix
Wixは簡易なドラッグ&ドロップエディタを通じて、ウェブサイトを迅速に構築できる利点があります。多言語サポートとSEOツールを活用して、国際市場向けのマルチリンガルサイトを容易に作成できます。しかし、高度なカスタマイズが難しく、プラグインやアプリの提供が限定されているため、特定の機能を実現することが難しい場合もあります。また、大規模なビジネス展開には向かない場合もあることに留意が必要です。
今回は前者の、より気軽に始めることができる越境ECモールでのショップ開設に焦点を当ててお話ししていきます。
越境ECの始め方
では、越境ECモールでのショップ開設はどのような手続きですることができるのでしょうか。手続きは大まかに、以下のように進められます。
越境ECを始める際、以下のステップから始めると良いでしょう。
1.市場調査と戦略の策定
最初に、どの海外市場に進出するかを決めます。競合他社の動向や需要予測を調べ、どの商品がどの市場で求められているかを理解します。また、その市場の文化や購買傾向、規制などを調査し、ターゲット市場に適した戦略を考えます。例えば、現地の特別なイベントに合わせたプロモーションを考えることもあります。
市場調査にはインターネットを活用し、競合サイトやソーシャルメディアでの反応をチェックすることから始めることができます。現地のコミュニティやフォーラムに参加し、消費者の声を聞くことも有益です。分析を通じて、どの市場が有望で、どのようなアプローチが求められるかを考えましょう。
2.プラットフォーム選定
商品を販売するための場所、つまりプラットフォームを選びます。プラットフォームは、自社のウェブサイトを使う「自社型EC」と、既存の大手ECサイトを活用する「モール型EC」があります。
自社型ECは、自分のウェブサイトを構築し、独自のオンラインショップを運営する方法です。ウェブサイトのデザインや機能をカスタマイズできるため、ブランドをしっかりと伝えることができます。ただし、技術的な知識や時間が必要なことがあります。
一方、モール型ECは、既存の大手ECサイトを利用して商品を販売する方法です。例えば、AmazonやeBayなどがあります。これらのプラットフォームは既に多くの顧客が集まっているため、集客の手間が少なくて済みます。ただし、手数料や競争が激しいこともあります。
初心者の方は、まずはモール型ECを試してみるのがおすすめです。手軽に始められる上、プラットフォーム側が支援してくれることも多いです。将来的に自社型ECに移行することもできるので、ステップバイステップで始めてみましょう。
3.商品選定と準備
海外市場で売る商品を選びましょう。現地の需要や傾向に合った商品を選定することが成功の鍵です。例えば、現地では人気のある商品や特有のニーズに応える商品を考えると良いですね。
選んだ商品には、現地の法律や規制に関する証明書やラベルが必要な場合があります。例えば、特定の製品に対する安全基準や許可が必要なこともあります。これに関する情報をしっかりと調査して必要な手続きを進めましょう。
商品の販売には、魅力的な商品写真と説明文が不可欠です。現地の言語で詳細な商品情報を提供し、消費者が商品の魅力を理解しやすいように工夫しましょう。また、商品写真は購買意欲を刺激するため、高品質なものを用意しましょう。初心者の方でも、シンプルなデザインでクリアな情報を伝えることが大切です。
4.価格設定と通貨対応
商品の価格設定は、成功への鍵となる重要なステップです。まずは競合他社の価格を調査し、その市場での一般的な価格帯を把握しましょう。しかし、ただ競合を下回るだけでなく、商品の付加価値や独自性を考えて価格を決定しましょう。
地域の経済状況や消費者の購買力も考慮しながら、適切な価格帯を見つけることが大切です。また、国際的な展開では通貨の違いが影響を与えます。多通貨対応を行い、現地通貨での表示や支払いを可能にすることで、消費者の利便性を高めることができます。
さらに、地域別の価格調整を行うことも検討しましょう。地域ごとの需要や経済状況に合わせて価格を微調整することで、購買意欲を引き出しやすくなります。初心者の方でも、競争力を持つ価格戦略を構築することが可能です。
5.ロジスティクスと配送
商品を海外に届けるためには、効率的な物流体制が必要です。最初に考えるべきは、どの方法で商品を配送するかです。
国際物流パートナーを利用することで、専門的なノウハウを活用しながらスムーズな輸送を実現できます。また、FBA(Fulfillment by Amazon)のようなサービスもあり、在庫の保管と出荷手続きをアウトソーシングできます。
配送料金や納期は、顧客にとって重要なポイントです。適切な配送料を設定し、明確な納期を表示することで、顧客の信頼を獲得しましょう。また、追跡可能な配送方法を選ぶことで、商品の安全性や到着予定日の把握を可能にします。
国際物流に関する情報を調査し、信頼できる物流パートナーを選びましょう。物流の円滑な運用は、顧客の満足度を高める重要な要素です。
6.言語とカスタマーサポート
海外展開では、消費者と円滑なコミュニケーションが不可欠です。まずは、多言語サイトを提供しましょう。現地の言語での情報提供や商品説明は、消費者に安心感と親近感を与えます。
カスタマーサポートも重要な要素です。消費者からの問い合わせや疑問に迅速に対応することで、信頼感を築きます。サポートは多言語で提供し、消費者が不安を感じないように心がけましょう。
また、返品ポリシーや保証内容を明確に示すことも大切です。消費者は安心して購買できる環境を求めていますので、信頼感を高めるためにもポリシーを透明に伝えることが重要です。
現地の翻訳サービスや外部のカスタマーサポートサービスを利用することで、スムーズな対応が可能です。しっかりとしたコミュニケーションは、消費者の満足度を向上させる一翼を担います。
7.マーケティングと広告
商品を広く知ってもらうために、マーケティングと広告は欠かせません。まずは、ソーシャルメディア広告や検索エンジン広告を活用して、ターゲット層にアプローチしましょう。例えば、FacebookやInstagram、Google広告などが有効です。
現地の文化や傾向に合わせたマーケティング戦略を立てることも大切です。地域ごとの好みやニーズを理解し、商品の魅力を的確に伝える内容を作成しましょう。
広告予算の最適化も重要です。初めは少額から始め、成果が出る広告に資金を集中する方法がおすすめです。広告の成果を分析し、クリック率やコンバージョン率をチェックして戦略を調整しましょう。
8.法的・規制事項の確認
海外展開には、現地の法律や規制を遵守することが重要です。輸出入規制や税金、消費者保護法などの法的な要件を確認しましょう。
輸出入規制に関しては、特定の商品に制限がある場合があります。商品が現地の安全基準や規制に合致しているかを確認し、必要な許可やライセンスを取得することを忘れずに行いましょう。
税金についても注意が必要です。輸入関税や付加価値税など、商品によって異なる税金がかかる場合があります。これらの情報を把握し、正確な税金を計算して価格設定を行いましょう。
消費者保護法に関しても、各国で異なる規制があることがあります。商品の返品ポリシーや保証内容を法的な観点から確認し、消費者に対する責任を果たすようにしましょう。
専門家のアドバイスや現地の法的な情報を調査することで、法的・規制事項を遵守することができます。合法的かつ安全な展開を心がけましょう。
9.成果分析と改善
成果を最大化するために、越境ECの成果を定期的に分析しましょう。まず、売上や顧客の動向を詳細に把握することが大切です。
売上の推移や商品ごとの売れ行きを追跡し、どの商品が好評でどの商品が需要が低いかを把握しましょう。また、顧客の購買履歴やアクセスデータを分析して、どの地域やターゲット層が成果をもたらしているかを確認します。
分析の結果から問題点や改善点を特定し、戦略を最適化していきましょう。売上が低い商品に対してはプロモーションを検討したり、顧客の要望に合わせた新商品を開発することも考えられます。
データ分析ツールやレポートを活用して成果を見極めることができます。継続的な改善と柔軟な戦略調整が、越境ECの成功に繋がります。
越境ECの成功事例
今回は越境ECプラットフォームを活用し、海外進出を成功させた3つの事例をご紹介します。
1.ASICS
スポーツウェアブランドのASICSは、Shopifyを活用して越境ECで成功を収めた企業の一つです。
ASICSは各国ごとに独自のオンラインストアを展開し、地域に合わせた商品やキャンペーンを提供しています。
特に、Shopifyのカスタマイズ性を活かして、各国の消費者の好みに合わせたウェブサイトデザインを実現しました。
これにより、地域別のターゲットに合わせたアプローチが可能となり、売上を増加させました。
2.Pentel
Pentelは文房具ブランドで、Amazonの越境ECプラットフォームを活用して国際展開に成功しました。
AmazonのFulfillment by Amazon(FBA)サービスを利用し、商品の保管・発送をアマゾンが行うことで、効率的な物流体制を確立しました。また、Amazonのマーケットプレイスを通じて、世界中の顧客に対して容易に商品を提供しました。
このプラットフォームを活用した手法により、Pentelは海外市場での展開を効果的に進めました。
3.UGG
フットウェアブランドのUGGは、AlibabaのTmall Globalを活用して中国市場で成功を収めた企業の一つです。
Tmall Globalは中国の消費者に向けたクロスボーダーECプラットフォームで、UGGはこのプラットフォームを活用して商品を提供しました。
UGGは中国のシングルズデー(11月11日)などの大規模セールイベントを活用し、中国の消費者の需要に合わせた商品とプロモーションを提供しました。これにより、UGGは中国市場で高い注目と売上を獲得しました。
これらの事例から、適切な越境ECプラットフォームを選び、その特性を活かしたマーケティング戦略を展開することが成功の鍵であることが分かります。
まとめ
本記事では、越境EC、その中でも特に越境ECモールについてご紹介しました。
越境ECモールは、日本国内から海外市場へ商品を販売するために利用され、海外進出をしたい国内の企業が踏み出しやすい一歩の一つです。
インターネットが普及し、グローバル化が進んでいる今、実店舗を持たずに小規模に海外進出を始めることが出来るのはとても便利ですね。
また、グローハイではECモールへの出店代行、自社ECサイト構築のサポートを行っています。海外経験がない場合や現地の言葉が話せない場合にも、安心してお任せください。
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