Webサイトを多言語化する方法とメリット、ポイントを解説

Webサイトを多言語化する方法とメリット、ポイントを解説

こんな悩みはありませんか?

  • 多言語化対応のあるサイトを作りたいけれど、やり方が分からない・・・
  • 海外からも集客できるWebサイトを制作するにはどうしたらいいの?

など

グローバル化が進んだことで、国境を越えた市場へのシェア拡大のために、自社の商品やサービスを海外の市場に向けて発信することは、今や当たり前となっています。

そこで、必要となるのが web サイトの多言語化です。web サイトの多言語化とは、同一のweb サイトを複数の言語で公開することです。多言語化においては、国際化・地域化や翻訳など、押さえておくべきポイントがたくさんあります。 多言語化によって、webサイトを訪れる海外顧客により良いwebサイト体験をしてもらい、自社の商品やサービスに興味を持ってもらうことができます。

本記事では、多言語サイトがなぜ必要になるか、実際に構築していく際の流れやポイント、注意点を分かりやすく解説し、あなたの海外進出の第一歩を後押しします。

目次

  1. 海外進出に多言語サイトは必須
  2. サイトを多言語化するメリット
  3. 多言語サイトを作る際の流れ
  4. 多言語サイトの制作時におけるポイント
  5. 多言語サイトを制作する際の注意点

1. 海外進出に多言語サイトは必須

・日本と同様、海外でもインターネット利用率は高い

近年、世界のインターネットの情報量は増加の一途をたどっており、2025年には2022年の約2倍に達すると予測されています(日経新聞より*)。中東やヨーロッパ、北米でのインターネット利用率が高く、次世代通信規格「6G」や人工衛星を利用した通信の発達に伴い、活用されるデータ量も一段と増大していくことが見込まれます。そのため、webサイトなどのインターネットを通じた情報伝達がますます重要になっています。

*2023年01月06日 日本経済新聞 朝刊016ページ

・97%のインターネットユーザーに発信できる

世界全体のインターネット市場のうち、日本語話者の割合は約3%にすぎず、約97%をその他の外国語話者が占めています。ビジネスにおいても企業が顧客や取引先、投資家といった多様な海外ステークホルダーに対応するためには、日本語のみならず、多様な言語に対応した情報発信のプラットフォームを作成することが重要です。

・自動翻訳ではなく文化や法律に合わせた「ローカライゼーション」が重要

多言語化においては、単にテキストを翻訳し公開するのではなく、ターゲットとする国の文化や言語に合ったデザインやコンテンツを構築する必要があります。その際、ターゲット国や地域の特徴に合わせた言語で対応する「ローカライゼーション」を行うことで、海外ユーザーに寄り添った web サイトを構築することができます。「ローカライゼーション」については、こちらの記事をご参照ください。

2.サイトを多言語化するメリット

・海外市場や国内の外国人消費者にアプローチできる

多言語化によって、海外市場や国内の外国人消費者に対して、自社の商品やサービスを知ってもらう機会を創出することができます。webサイト訪問時における顧客体験の向上が、海外顧客の満足度を高め、最終的な商品やサービスの購入に繋げることができます。海外市場や国内の外国人消費者に適切にアプローチすることで、新たなビジネスチャンスを獲得することができます。

・外国人スタッフの採用や教育に活用できる

多言語化は、外国人スタッフによるサービスやパフォーマンスの向上に繋がります。採用や教育において、企業から従業員への情報発信やビジョン、ノウハウの共有を外国人スタッフの母国語に合わせた言語で実施することで、外国人スタッフの従業員体験価値を高めることができます。

・インバウンドの集客が見込める

新型コロナウイルスの蔓延が落ち着いたことで、訪日外国人観光客の数は、コロナ禍以前を超える勢いにまで戻ってきています。近年の急速なインターネット普及に伴い、訪日外国人観光客はsnsなどのインターネットを活用して情報を集め、各地を訪れるようになりました。webサイトが多言語に対応していることで、海外顧客が自社の商品やサービスに関して容易に情報を得られるだけでなく、外国人向けの店舗であることをアピールすることもできます。また、実際に体験をした海外顧客による情報発信が、海外での話題に繋がり、新たな海外顧客を呼び込むきっかけになります。

・ブランディングに貢献する

webサイトが多言語に対応している企業に対して、ユーザーはどのようなイメージを抱くでしょうか?「積極性がある」や「将来性を感じる」、「多様な顧客にアプローチしている」など良いイメージを抱く人が多いのではないでしょうか。多言語化によって、海外ユーザーのみならず、日本国内のユーザーや将来一緒に働くかもしれないグローバル人材に対して、企業の良いイメージを与えることができ、企業のブランディングに繋げることができます。

3.多言語サイトを作る際の流れ

・企画:どのようなサイトを制作するか

web サイトの多言語化において、まず多言語化の目的やゴールを定め、どのようなサイトを制作するのかを決定することが重要です。多様なステークホルダーに対して、目的やゴールを共有することが多言語化を進める上でのポイントとなります。

元となる web サイトのコンテンツのすべてを翻訳するのか、または、一部のページのみ翻訳対象とするのか、どの地域の顧客をターゲットとするのか、更新頻度やサイト訪問数や売上をどれくらい増加させることをゴールとするのかなど、事前に社内で話し合いの機会を作り、具体的な内容を決定させましょう。

目的・ゴールを明確にしたら、web サイトをどの言語に多言語化するかを決めます。英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語など、アクセス数の多い国や、自社の今後の事業展望、ターゲット層に合わせて言語を選択しましょう。

・制作:多言語化ツールの活用、国際化対応

どのようなサイトを制作するのかが決まったら、具体的な制作フェーズに移ります。

まずは、コンテンツ量や更新頻度に応じて、翻訳方法を決めます。その際、外部のweb サイト多言語ツールを利用するのが効果的です。多言語化においては、翻訳の品質やサポート体制、多言語 Web サイトの更新・運用を継続して実施することが必要なので、企画時に定めた言語数や更新頻度によって最適な方法を選択するようにしましょう。

また、多言語化には、言語ごとの開発や翻訳が必要なので、共通プラットフォームを作成し作業負荷を減らしていくことで国際化に対応することが重要です。

国際化対応における注意すべき各ポイントを紹介していきます。たとえば、コンテンツの量や更新頻度も高くないプロモーションサイトであれば、ブランディングの観点で正確に情報を届ける必要があるため人力翻訳が適切です。

多言語サイトは公開して終わりではなく、継続的に維持運用する必要があります。運用フェーズの工数を想定したうえで最適な方法を選択する必要があります。

1つ目は従来の方法となる言語数分の HTML ファイルを用いてシステム構築し、各言語ごとにカスタマイズをする方法があります。

2つ目は外部のweb サイト多言語ツールを利用するのが効果的です。方法になります。それぞれにメリット・デメリットはあるものの、要件定義で決めた言語数や多言語サイト公開後のコンテンツの更新頻度によって最適な方法を選ぶことが重要になります。

国際化対応とは、言語ごとに開発・翻訳といった作業が発生するため、共通化プラットフォーム化してそういった作業負荷を減らしていくことを指します。国際化対応における注意すべき各ポイントを紹介していきます。

対応する言語を決めたら、次は多言語化の方法を策定します。多言語化ソリューションの導入、翻訳会社への依頼、CMS のプラグインを利用するなどの方法から選択するのが一般的です。

翻訳の品質やサポート体制、多言語 Web サイトの更新・運用の手間などを考慮すると多言語化ソリューションを活用するのがおすすめです。

・運用:自社管理・制作会社に委託

多言語対応サイトを制作したら、実際の運用に向けた体制を構築します。コンテンツの更新を検知する仕組みを構築し、新しいコンテンツの追加などサイトが更新される前に、翻訳担当者による対応が可能になるようにしましょう。その際に、新しいコンテンツが公開される前のどのタイミングで確認が必要になるかなど、コンテンツ担当者と翻訳担当者が頻繁にコミュニケーションをとることで翻訳漏れを防ぐことができます。元となるサイトの言語や翻訳での社内用語・業界用語、慣習的な言い回しなどを定めたガイドラインを作成することも効果的です。自社で管理することが難しい場合は、制作会社に委託しましょう。

4.多言語サイトの制作時におけるポイント

・多言語化の目的を明確に

多言語化において、目的を定義しないまま始めてしまうことで、より具体的な成果をあげることが難しくなってしまいます。多言語対応を始める際には、その目的や、採用する言語、ターゲット国などをあらかじめ定義するようにしましょう。「なぜ」「どの web サイトページを」「誰に対して」などといった目的を文書化し、企業内やステークホルダー間で共有します。目的を明確にすることで、取り組むべきタスクが把握しやすくなり、効果的に成果をあげることができます。

・言語ごとに独自のURLを用意する

作成したweb サイトが多言語 SEO に対応するためには、言語ごとの URL が必要になります。言語ごとに URL を分けるには、下記の3つのいずれかを使用します。

  • 国別ドメイン(ccTLD):ターゲットにする国が具体的に決まっている時(英語圏など具体的でない場合には不向き)(例:https://glohai.co.us)
  • サブドメイン:言語ごとに新しいサイトを構築できる時(ただし、各サイト管理の手間がかかり SEO 効果が低くなりやすい)(例:https://us.glohai.co.jp)
  • サブディレクトリ:ドメインを変更することなくページを公開できる時(ただし、管理が容易である一方で、ユーザーがサイト内で迷う可能性がある)(例:https://glohai.co.jp/en-us)

それぞれのメリット・デメリットを考慮した上で、どのURLを作成するのかを決定しましょう。

・レイアウトやデザインを見直す

翻訳をすると、元サイトの言語と比べて文字数が増減したり、デザインが崩れてその国のユーザーにとって読みづらくなってしまうことがあります。そのため、文字数の増減やデザインの変更を考慮したレイアウトを設計をするようにしましょう。

対応方法としては、下記の内容が挙げられます。

  • 予め充分なスペースを空けておく
  • コンテンツ幅が自動調整されるように設定する
  • 言語ごとに文字サイズを設定する

制作においては、事前にターゲットとする国や地域のwebサイトを参考にしながら、具体的なレイアウトやデザインを考案しておきましょう。その際、複数の案を用意し、必要に応じて切り替えられるようにすると効果的です。

・海外SEO対策を検討する

多言語対応サイトを制作する際には、海外SEO対策を考慮するようにしましょう。制作したwebサイトを海外の検索エンジンに発見してもらうためには、SEOに必要なタグを設定したり、言語ごとの独自URL設定したりする必要があります。

海外 SEO 対策を実施する際には、翻訳の品質管理やサポート体制、サイト更新・運用などの機能がシステムに含まれている多言語化ソリューションを使うのが効果的です。
海外SEO対策については、こちらの記事をご参照ください。

・文化や法律、客層に合わせた文章を

多言語対応するwebサイトは、ターゲットとする国・地域や言語のユーザーが使いやすいものにすることが重要です。(ローカライゼーションについては、こちらの記事をご参照ください。)好まれるレイアウトやデザインは国・地域によって異なるため、文化や法律、客層に合わせたものにすることで、より現地顧客に寄り添ったwebサイトを構築することができます。

5.多言語サイトを制作する際の注意点

・現地に詳しい人に監修してもらう

多言語対応サイト制作時のポイントとして、ターゲットとする国の趣向に合わせたデザインの構築について前述しましたが、一度サイトを作成したら、その国や地域に詳しい人や実際に現地の外国人ユーザーに監修してもらうようにしましょう。現地に融通した人の知見を得ることで、より効果的な成果を見込むことができます。

・言語切替はわかりやすく配置

言語切替は、webサイトを訪問した海外ユーザーにとって見つけやすいように配置しましょう。海外ユーザーが、自身の使用する言語に簡単に切り替えられるようにすることで、海外ユーザーがサイトから離れてしまう可能性を抑えることができます。その際に、日本語がメインのサイトにおいて、日本語で「英語」と表示するよりも、英語で「English」と表示したり、切り替えボタンだと直ぐに分かるようなデザインを用意するようにしましょう。

・多言語化の効果を測定し改善を繰り返す

多言語サイト構築後は、その後の効果を可視化することで継続的にその効果を測ることが重要です。多言語対応をしたことで、海外からの訪問者の数はどのように変化したかなどを確認し、必要に応じて発信内容やレイアウト、発信方法、更新頻度を工夫するようにしましょう。

・日本の常識にとらわれないこと

多言語化によって、その言語のユーザーからの問い合わせ件数が増える可能性があります。そのため、問い合わせ対応についても事前に検討しておくようにしましょう。

具体的には、問い合わせフォームの設定を日本語サイトと多言語webサイトで変更できるようにし、入力時の混乱を避けると良いでしょう。

また、多言語で問い合わせがきた場合に、誰がどのように対処するのかについても事前に決めておき、関係者間で共有しておきましょう。

まとめ:グローハイが海外進出をサポート

今回は、海外ユーザーへのアプローチ手法として、多言語サイト構築におけるポイントについてご紹介しました。

多言語サイト構築には、ターゲット国に応じたレイアウトの作成や独自URLの準備など、取り組まなければならないことがたくさんあります。しかし、海外進出において、現地の海外ユーザーに適切にアプローチすることは、新たなビジネスチャンスの獲得に繋がるため、多言語サイトの構築は非常に重要です。

グローハイでは、企業の海外進出における市場調査や、戦略立案、現地法律、文化への適応サポートなど、幅広いサービスを提供し、多言語サイト構築において企業様が抱える課題を網羅的に対応します。ご興味いただけましたら、ぜひ一度お問い合わせください。

グローハイ 海外進出サポートチーム

日本企業の海外進出(アメリカ・中国など)を支えるプロフェッショナル。 主に6つのサービス(営業支援・代理店開拓、ECサイト構築・webマーケティング、インフルエンサーマーケティング、市場調査・コンサルティング、法人設立ワンストップサービス、海外オンライン展示会出展サポート)を提供している。 200社を超える日本企業の海外進出サポート実績。 現地スタッフと連携した独自のネットワークを活用し、日本企業の売上向上・新規顧客獲得・販路拡大を実現中。
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