こんにちは!グローハイの海外進出サポートチームです。
日本の製造業は今、大きな転換期を迎えています。国内市場の縮小や人手不足が進む一方で、海外では新興国を中心に新たな需要が拡大。コスト削減や販路拡大を目的に、海外事業展開を進める企業が年々増えています。 しかし、単に「海外に進出する」だけでは成功は難しく、各国の経済環境や文化、法制度を理解した上での戦略が不可欠です。
この記事では、
・製造業がなぜ海外事業展開を進めるのか
・どんなメリット・リスクがあるのか
・そして成功企業に共通する戦略とは何か
をわかりやすく解説します。
これから海外進出を検討している経営者や、グローバルビジネスに関心のある方に向けて、実践的なポイントを整理して紹介していきます。
■グローハイでは海外オンライン展示会「VirtualExpo(ヴァーチャル・エキスポ)」の出展をサポートしています。
VirtualExpoは機械、建築、造船、医療、農機、航空の6分野における製造業のBtoB専門オンライン展示会です。
欧州や北米、南米、さらにはアジア、中東アフリカ等にもリーチ可能なオンラインによるビジネスマッチング・プラットフォームです。欧州バイヤーが半数以上を占めるVirtualExpoに出展することで、欧州を始めとする世界各国・地域への販路開拓が可能となります。
出展するには英語対応が必要で、グローハイでは日本企業様のVirtualExpoの営業窓口を担っております。
目次
1.はじめに ― なぜ今、製造業は海外事業展開を加速させているのか
・国内市場の縮小と人手不足
・新興国市場の成長とチャンス
・為替・貿易リスクの分散効果
2.製造業が海外事業展開で得られるメリット
・コスト削減と利益率の向上
・販路拡大とブランドの国際化
・現地ニーズへの迅速対応
3.一方で注意すべきリスクと課題
・文化・商習慣の違いによる経営リスク
・為替変動や政治リスク
・サプライチェーンの複雑化と品質管理の難しさ
4.海外事業展開を成功させるための5つのステップ
①市場調査とターゲット国選定
②パートナー企業の選定
③現地法規制・税制への対応
④人材育成と現地マネジメント
⑤継続的なリスク管理と情報共有
おわりに
1. なぜ今、製造業は海外事業展開を加速させているのか
● 国内市場の縮小と人手不足
日本の製造業は、これまで高い品質と技術力で国内外から信頼を得てきました。しかし近年、少子高齢化の影響により労働人口の減少が進み、製造現場での人手不足が深刻化しています。さらに、国内市場は成熟し、消費需要の伸びが鈍化。
こうした背景から、「国内だけでは成長が見込めない」という課題に直面する企業が増え、海外市場での新たな成長機会を求める動きが加速しています。
● 新興国市場の成長とチャンス
アジアを中心に、ベトナム・インド・インドネシア・タイなどでは、急速な経済発展とともに中間層が拡大しています。これにより、家電、自動車、機械部品などの需要が大幅に増加。
さらに、これらの国は生産拠点としての魅力も高く、人件費や土地コストの低さに加え、FTA(自由貿易協定)を活用した輸出拡大のチャンスもあります。日本企業にとって、新興国は「コスト削減」と「販路拡大」を同時に実現できる成長市場なのです。
● 為替・貿易リスクの分散効果
一方で、国内生産だけに依存すると、為替変動や国際的な貿易摩擦の影響を強く受けます。たとえば円高になると輸出採算が悪化し、利益を圧迫するケースも少なくありません。
そこで、複数の国や地域に生産・販売拠点を持つことで、リスクを地理的に分散させ、収益を安定化させることが可能になります。つまり海外展開は、企業の「成長戦略」であると同時に「リスクヘッジ戦略」でもあるのです。
2. 製造業が海外事業展開で得られるメリット
● コスト削減と利益率の向上
海外進出の最もわかりやすい効果は、生産コストの削減です。
特にアジア諸国では人件費が日本の1/3〜1/5程度に抑えられる場合もあり、現地生産に切り替えることで原価を大幅に下げられます。さらに、現地での部品調達や物流ルートの最適化を進めることで、輸送コストや関税コストの削減も実現できます。
その結果、利益率が改善し、価格競争力の高い製品をグローバル市場に展開できるようになります。
● 販路拡大とブランドの国際化
製造拠点を海外に設けることで、その国や周辺地域への直接販売が可能になります。
これにより、輸出頼みのビジネスモデルから脱却し、現地市場を基盤とした安定的な売上を確保できます。また、海外市場でのプレゼンスを高めることで、企業ブランドが国際的に認知され、結果としてグローバルブランド化につながります。
トヨタやパナソニックなどは、こうした長期的な現地展開によって、国際市場での信頼とブランド力を築いてきました。
● 現地ニーズへの迅速対応
グローバル市場では、「日本で作った製品をそのまま売る」だけでは通用しません。国や地域によって生活習慣や消費者ニーズが異なるため、現地での研究開発や生産体制を整えることで、市場の変化にスピーディーに対応できるようになります。
たとえば日系家電メーカーは、東南アジア市場向けに高温多湿環境に適した冷蔵庫やエアコンを開発するなど、現地適応型製品を投入する戦略をとっています。
3. 一方で注意すべきリスクと課題
● 文化・商習慣の違いによる経営リスク
海外で事業を展開する際に最も難しいのが「文化の違い」です。
日本では時間厳守や品質重視の考え方が浸透していますが、他国では「納期より人間関係を重視」「契約より柔軟性を優先」といった価値観を持つ場合もあります。
この違いを理解せずに進出すると、現地社員とのトラブルや取引先との誤解を招く可能性があります。異文化マネジメント能力が、経営者や現地責任者に求められる重要なスキルです。
ローカライズについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。
海外進出を成功に導く「ローカライズ」とは?概要とメリットをわかりやすく解説:https://glohai.com/blog/4192
● 為替変動や政治リスク
為替レートの変動は、輸出入価格や収益に直接影響します。また、政治的な不安定さや急な規制変更など、マクロ環境のリスクも常に存在します。
特に発展途上国では、政権交代や政策転換により税制や輸出入制度が変わることもあります。そのため、複数国に拠点を持ち、リスク分散型のポートフォリオ経営を行うことが重要です。
● サプライチェーンの複雑化と品質管理の難しさ
グローバル生産体制を構築すると、部品供給・在庫管理・輸送経路などが複雑化します。
距離や言語の壁もあり、日本と同レベルの品質管理を維持するのは簡単ではありません。
そこで近年は、IoTやAIを活用したスマートファクトリー化や、クラウドによる生産データの共有など、デジタル技術を活かした品質管理が注目されています。
4. 海外事業展開を成功させるための5つのステップ
① 市場調査とターゲット国選定
まず必要なのは、自社製品に最適な市場を見極めることです。
経済成長率、購買力、政治の安定性、税制、インフラ整備状況などを多面的に分析し、長期的なビジネスの持続性を評価します。
また、現地の文化や消費行動を調査することで、製品開発や販売戦略の方向性も定めやすくなります。
② パートナー企業の選定
現地でのビジネス展開を成功させるには、信頼できるパートナー企業の存在が不可欠です。
現地企業や日系商社、政府機関などと連携することで、法制度・税制・労働環境などの情報を入手しやすくなり、トラブルを防ぐことができます。
単独での進出よりも、現地パートナーとの合弁事業(ジョイントベンチャー)がリスク軽減につながる場合もあります。
③ 現地法規制・税制への対応
国ごとに異なる法制度・税制・労働法を把握し、コンプライアンス体制を整えることは必須です。
例えば、環境規制が厳しい国では排出基準を守れなければ操業停止のリスクもあります。
事前に専門家のアドバイスを受け、法務・会計・税務面でのリスクマネジメントを徹底しましょう。
④ 人材育成と現地マネジメント
現地の従業員をどう育てるかも重要な課題です。
トップダウン型の日本式マネジメントをそのまま持ち込むと、現地文化と衝突する場合があります。
現地の価値観を理解し、信頼関係を築きながら「自ら考え行動できる人材」を育成することが成功の鍵です。
また、日本からの駐在員と現地人材のハイブリッド組織を作ることで、双方の強みを活かせます。
⑤ 継続的なリスク管理と情報共有
海外展開は一度成功して終わりではありません。政治・経済・物流環境は常に変化するため、定期的なリスク分析と柔軟な戦略見直しが必要です。
さらに、日本本社と海外拠点の間で情報をリアルタイムに共有し、問題発生時に迅速な対応ができる体制を整えることも欠かせません。
このように、製造業の海外事業展開は「コスト削減」だけでなく、「成長」「リスク分散」「人材育成」など、複合的な経営戦略として位置づけられています。
成功企業に共通するのは、現地を単なる生産拠点ではなく、“戦略的な市場”として捉えている点です。
海外進出はゴールではなく、継続的な経営改善と現地理解の積み重ねによってこそ、真のグローバル企業への成長が実現します。
おわりに
製造業の海外事業展開は、単なる生産拠点の移転やコスト削減のための戦略ではなく、
世界市場での競争力を高め、持続的に成長するための経営戦略そのものです。
確かに、文化や商習慣の違い、政治リスク、品質管理などの課題は少なくありません。
しかし、現地の人々や社会と向き合い、その国のニーズに合わせて柔軟に対応できる企業こそが、長期的に成功を収めています。
グローバル化が進む今、「海外展開」は選択肢ではなく“生き残りの条件”になりつつあります。
日本の製造業がこれからも世界で存在感を発揮し続けるためには、
現地適応力と長期的な視点を持った経営判断が欠かせません。
海外進出はゴールではなく、新たなスタートラインです。
一歩ずつ、確実に世界とつながる企業戦略を築いていきましょう。
グローハイでは、海外市場調査、SNS・インフルエンサーマーケティング支援、BtoBオンライン展示会「VirtualExpo」への出展支援、海外法人設立、代理店開拓まで、一気通貫でサービスをご提供しております。
海外市場での事業拡大をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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■グローハイでは海外オンライン展示会「VirtualExpo(ヴァーチャル・エキスポ)」の出展をサポートしています。
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欧州や北米、南米、さらにはアジア、中東アフリカ等にもリーチ可能なオンラインによるビジネスマッチング・プラットフォームです。欧州バイヤーが半数以上を占めるVirtualExpoに出展することで、欧州を始めとする世界各国・地域への販路開拓が可能となります。
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